岩通 シンクロスコープ IWATSU SS-5711C SYNCHROSCOPE を修理

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岩通 シンクロスコープ IWATSU SS-5711C SYNCHROSCOPE を修理

オークションで、ジャンク IWATSU SS-5711C SYNCHROSCOPE を入手

出品者もわかっている不具合を羅列されて出品されているジャンクなので、何らかの修理が必要と思っていましたが、入手後、簡単な動作確認では特に問題がないように見えて、喜んでいましたが、やっぱり不具合がありました。

というか、とんでもない故障持ちでした。

出品者が確認されたときはまだ中途半端に故障されていたのでしょう。私の確認した不具合は、1mS/div,2mS/div,5mS/divレンジで輝線のみで全く波形が表示されない。

しょうがない、SS-5711Cを修理しよう!

回路図を眺めていると、このレンジにだけ関係する部分が判明!

IWATSU SS-5711C 故障部分の回路図抜粋

コンデンサ C32の故障か、レンジ切替のセレクタ周りの接触不良と予想しました。

IWATSU SS-5711C SYNCHROSCOPE を分解

オシロスコープなど測定器は、(原理は簡単だけど)非常に複雑で、分解は躊躇してしまいますが、古い機種はある程度のメンテナンスができることを配慮して設計されているので、見た目よりは簡単に分解できます。

ただ、基板間をケーブルが飛び交っていますし、そのケーブルの配置自体に意味がある場合があるので、分解前の状態が再現できるよう写真を撮っておくと良いと思います。(簡単に分解できるからと言って、中身の構造がある程度推定できる方以外は、測定器によっては分解してはダメな部分もあるので、とりあえず分解してみるは止めた方が良いです。)

IWATSU SS-5711C 分解中

IWATSU SS-5711C 分解中

やっと問題の部分が姿を現しました。

IWATSU SS-5711C 分解中 故障ボード

故障場所は此処だ!

IWATSU SS-5711C 分解中 故障部分

なんと!

IWATSU SS-5711C 分解中 故障部分拡大

分かりますか?コンタクト部分がなくなっています(-_-;)

故障したプローブの一部を使って修理しました。ハンダが付かないと思ったらステンレス製?でしたので、板金用フラックス(強酸性なので取り扱い注意)で作ったコンタクト端子にハンダを付けてから、セレクタ部にもすず線で取り付け土台を作って、ハンダ付けしました。

※異種金属間は接触不良などの原因になりますので、本当はステンレスは良くありません。適当なパーツが出てきたら交換したいと思います。

# 換気が十分でなく多少吸い込んでしまったようで、ちょっと調子が悪い(-_-;)—–板金用フラックスの取扱いはほんと注意が必要です。

IWATSU SS-5711C 分解して修理しました

この写真だと軸に接触しているようです。このあと少し短くして取り付け直しました。

ジャンク IWATSU SS-5711C SYNCHROSCOPE 十分実用レベルに復活

接触抵抗が若干大きいのか、微妙に計測波形がぶれているような気もしないでもないですが、趣味の範囲での利用なら、十分実用レベルに復活しました。

(波形のブレを感じたのは、確認の為に使用したシグナルの安定度の問題と走査線速度の問題で、正常に動作していました。)

分解のついでにパネルも洗浄したので、リフレッシュして若返ったSS-5711Cです。周波数カウンタが付いていて基準クロックは普通の水晶発振子のようですが、値は結構正確なようです。GPSで調整したカウンターとほぼ同じ値を示します。(有効桁数は少ないですが、実用的レベルと思います。)

復活! 岩通シンクロスコープ SS-5711C

10MHz程度の波形を見る場合も、帯域 20MhzのSS-5704で見た場合、波形がなまってしまい波形の品質までは見えませんが、流石に帯域100MHz SS-5711Cだとそれらしい波形が観測できるようになります。

10MHzの波形を見る場合、10MHzの正弦波を見たいわけではないので、その十倍の帯域のSS-5711Cを入手して正解でした。

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