費用対効果の高い3D-CAD用パソコン選定の悩み

掲載日: / 更新日:
費用対効果の高い3D-CAD用パソコン選定の悩み

3D CAD用のパソコンを構築するにあたり、大変悩ましいことがあります。

それは、

GA(グラフィックアクセラレータ)に何を選択すべきか....

2011年あたりから、CAD/CG系のアプリケーションが、OpenGLから、Direct3D対応に移行が進んで、2016年では、一部を除いてWindows系の動作環境の記述からOpenGLの記載が見当たらない状況となっています。

しかし、相変わらず、動作認証済みカードにはQuadro系とFireGL系しか見当たりません。これにはカード製造メーカがそれぞれ1社に限定されることと、アプリケーションメーカ側としては、OpenGLでの動作保証するには、動作認証が不可欠であるという立場から必要な事によります。これは、結果的にGAカードメーカから見ると実質CAD/CG系アプリに特化したカードの存在意義を示す動作保証の証となっていると思います。

一方で、Direct3D対応の沢山のカードがありますが、WHQLドライバーを使うことで、Direct3D APIが保証されており、アプリ―ケーションメーカは、動作環境の要件にDirect3D対応グラフィックカードと記載することで、ひとまとめで記載しています。(要件に「ワークステーション クラス グラフィックス カード」や「True Color 対応」の記載があったりして、余計にユーザーを悩まします。30ビットカラーをTrue Color という場合があり、コンシューマー向けGAは24ビットカラーとなります。)

つまり、こんなイメージになります。

OpenGLとDirect3D GA動作保証範囲

 

保証範囲の違いにより不安な要素もありますが、Direct3D対応しているコンシューマー向けのゲーム用のグラフィックカードでパソコンを構築することで購入価格をグッと下げることが可能となります。しかも、主にゲーム用として販売されているDirect3D対応グラフィックカードは、同価格帯のCAD/CG専用のQuadro/FireGLに対して、テクノロジー的に1~2世代進んでおり、Direct3Dのベンチマークでの性能測定結果は良い値をたたき出しますので、業務の効率化の可能性もあります。(不幸にして、トラブル続きで効率が落ちるリスクもあります。)

一方、CAD/CG専用のQuadro/FireGLは、あえて安定動作が確認されている古い世代の枯れたテクノロジーで製造していて、十分な時間をかけて熟成させることで、信頼性&品質が高いと言われています。その分、大変高価になっています。(最近では少し事情が変わってきているようで、同時演算処理能力の向上でCUDAコア数多くしたり、より多くのメモリを搭載したりの価格なりのハードウェア強化も行われている。)

ハードウェア構成的には、もっとも需要が多いであろうQuadro M2000(6万)は、GeForce GTX 1050 Ti 4GB(2万)相当で、その価格差は約3倍。但し、ウルトラハイエンドクラスは別格で、コンシューマー向け最強のGeForce GTX 1080 8GB(8万)でも、2世代前のQuadro K5200(25万)相当になってしまいコンシューマー向けでは相当品がなくなります。

もし可能であれば、事前にコンシューマー向けグラフィックカードで評価機を導入して、その後、本格導入が良いでしょう。1台当たりQuadro M2000の3枚分あれば導入可能でしょう。

 

調達資金・固定資産費を抑えるために、ぜひ、コンシューマー向けグラフィックカードを導入したいところです。

コンシューマー向けグラフィックカードを選択するにあたり、その性能がQuadroのどのクラス相当なのか知りたいと思います。しかし、公開されているGeForceとQuadroをDirect3Dで比較したデータはあまりありません。ましてや業界メーカの提示したデータは見当たりませんので、実際にどのDirect3D対応グラフィックカードでどのくらい動作するのかわかりません。

そこで、ハードウェア構成(CUDAコア数、メモリ容量、メモリバンド幅、アーキテクチャ)を比較するか、以下のような比較サイトを利用することになります。

不特定多数の結果をまとめられているようなので、測定条件が異なる比較となりますし、現場のCAD環境での性能には一致しませんので、あくまでも目安程度と考えたほうが良いですが、このような比較サイトがあります。(CUDAコア数やメモリ容量によるアドバンテージが出にくい為、ハイエンドモデルの結果は低めに出ていると思われます。)

私個人的には、今旬で、GeForce GTX 1050 Ti 4GBの上位でGeForce GTX 980後継機にあたるGeForce GTX 1060 6GB当りが、Quadro M2000の代わりに無難な選択ではないかと思います。(どなたか稼働報告を頂けると幸いです。)

AUTODESKのユーザフォーラムを見ていると、GeForceでAutoCADを動作させているユーザは確かにいます。

Quadro/FireGL以外で3D CAD/3DCGで運用されている方(企業様)は、動作報告をどんどん公開してほしいと思います。(企業ユーザがほとんどでしょうから、会社内情報になり、なかなか公開が難しいという事情もあるのでしょう。)

フリーランスの方などは比較的公開しやすく、ブログやアフィリエイトサイトなども運用されている場合もあるでしょうから、ぜひ、公開頂ければと思います。また、私共に稼働情報を頂ければ、まとめて公開も考えたいと思います。

BTOパソコンのメーカ様も、CAD用はQuadroと決めつけないで、ゲーム用パソコンのようにxxxCADソフト推奨パソコンみたいなコンシューマー向けグラフィックカードを積んだモデルをラインナップできないものかと思います。(業界のしがらみがあるのかな?)

BTOパソコン・PC通販ショップのマウスコンピューター

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA