ヤフオクで Aurex SB-220 を入手
別の目的でヤフオクをウロウロしていたんですが、思わず、ポチッと....あっさり落札。
微妙な世代のアンプなのと商品説明が少々意味不明なのもあり、ほぼ送料だけの大変お安い価格での落札となりました。
1976年製のToshibaのAurexブランドのプリメインアンプです。
古い世代のジャンクにしては綺麗ですが、それでもお色直し前なので、ちょっと黄なっぽいですね。
この1979年以前のアンプは、(当時のレタリングすぐに剥げるからか?)文字入れが彫刻になっている物が多く、消えることはありません。いまならそれだけでちょっとした優越感を感じる豪華さです。この機種はエントリクラスですが、ボリュームのつまみも、外側はしっかりしたアルミニュウム(中心はプラスチック)で手触り、操作感は、大変良いです。
バブル期のアンプのように物量で何とかしようではなく、純粋な技術とデザインで音楽を追及している時代のアンプで、個人的にはこの時代のアンプは好きです。これより前は、ビンテージものになり、音楽を楽しむより所有する楽しみが強くなると思います。
このアンプは、DCアンプ全盛時代の幕開け過渡期のもので、シングル電源の終焉期のモデルではないでしょうか。この上位モデルは±2電源でDC構成になるようです。
「ハイパワーを追求せずに音質を磨き抜くことでハイCPを追求したプリメインアンプ」とのことで、低歪み率化しやすい差動入力アンプも採用されてません(多分、上位機種を含め、これ以降は差動入力アンプとなります。)
昔、自作トランジスタアンプに触れた世代には懐かしいシンプルな回路構成となっているようです。今回はメンテナンスマニュアルが手元にないので、時間をみて、今後のメンテも考えて、実機から回路図を起こしたいと思っています。
電源を入れる前に内部のチェック
オークションの商品の説明内容が意味不明だったが、ニュアンス的にすぐに電源をいれると危険なような気がしましたので、まずは中のチェックと簡単な掃除をします。
意外にきれいな中身です。この時代のジャンクは、とんでもなく汚いものと大事にされたか使われず保管されたのか綺麗なものと両極端な気がします。この子は、後者のようです。
さすがにつまみの隠れる部分は汚れています。
比較的綺麗でしたが、何かカサカサ音がすると思ったら、こんなものが…..
まだ様子見前なので、ほどほどに掃除をします。
さて、動作確認結果は….拍子抜け
いよいよ、火入れ。
無事、電源投入できました。ここまでは商品説明通り。
電源が入ったところでスピーカを接続する前にアイドリング電流を見ておきます。
アイドリング電流も狂ってなさそう(メンテマニュアルがないので、最適値ではないかもですが)左右ともほぼ同じ7mV程度少なめですがB級アンプなのでこんなもんでしょう。(※ 最終的に11mVくらいに設定しました。それでも殆ど温度を感じない)
万が一壊しても、泣かないぼろいヘッドフォンと休眠中のスピーカをを接続して、入力はFMチューナー
ヘッドフォンから普通に音楽が聞こえているようです....あれ?
スピーカーに切り替えてみました。しっかりした音楽が流れてきます。
おかしく無いじゃん!
不具合といえば、バランスボリュームに軽いガリ、一回回したら直りました。微妙にスイッチ類で接触が怪しい雰囲気がある程度。
拍子抜けしました。
趣味的には外れ商品ですが、実用面ではあたりの商品でした。
この時代のアンプですべてオリジナル状態で、これだけ完璧な物は珍しいのではないでしょうか
気を取り直して、化粧直しします。
念のために、スイッチ類を簡単に清掃(本来なら取り外して分解掃除ですが、顕著な不具合はないですし、比較的綺麗な状態 / DCアンプと違い直流は流れないので、微弱電流発生での接触不良が比較的発生しにくい)
ひょっとするとphonoプリアンプに不良があるのかもしれませんが、もう手元にプレーヤーはありませんので、未確認。ただ、セレクタをphonoにしてボリュームを上げてもノイズはありませんので、おそらく問題ないかと思われます。(目視確認でもTrなど綺麗です。)
パネル、つまみ、筐体カバーを洗浄します。
軽く化粧直しして動作確認中
ソースはAmazon Prime Musicに変更して、試聴開始。良好です。ただ、少々ズンドンですっきり感がない...4Ωに対応なので、スピーカーをONKYO D-052TXに変更
良いです。
音もクリアになり、それでいて温かみもあり、ジャズやBGMに最適な優しいかんじです。
ちょっと電流を多めに流す感じが良いのか、もう少しアイドリング電流を多めにしたほうが良いのかもしれません。
# 今のアイドリング電流だとヒートシンクは冷たいまま。 普通の音量で聴いている分には、消費電力も10W以下!!
明日は、これで映画鑑賞なども試してみたいと思います。
実はこの他にも思わず入札してしまったアンプがあるのですが、このアンプが思っていた以上に気に入ったので、競り負けると良いななんて内心思い始めています。
実機でコンピュータを使い特性測定&チューニングして設計されたのかな 製品ごとに特性を測定して、特性測定結果を添付したようです。相当に製品品質というか設計に自信があったんでしょうね。実際、人手によるプリントパターンの引き回しは芸術的で、今の面白みのない機械設計では引けないであろう経験値が感じられます。
ちなみにこのアンプは保護回路はヒューズのみ。もちろんポップ音防止のリレーなどもありません。
しかし、回路の立ち上がりまで考慮してコンデンサの容量などを決めているのか、気になるようなパルスのポップ音はありません。
リレーのないB級アンプならでは、電源OFFにしても暫く音楽が流れています(^-^;
課題
実用上問題ないのですが、今後の課題を3つ
その1:
ウォーターサーバーのコンプレッサーのON/OFFで、ラインからのインパルスノイズが発生する。
インレットノイズフィルターを入れないといけないかも。 ⇒ こちらの対策で解決
その2:
ACケーブルの硬化進んでいてこのままの使用は漏電が危惧されるので、ケーブル交換が必要かも ⇒ 交換済み
その3:
6Ωスピーカーだと発生しない(※これは単純に使った6ΩのSPの能力不足の模様)のに、4Ωスピーカーだとボリュームをあまり開かなくても若干ホワイトノイズが発生している。
原因は何だろう....対策はあるのだろうか….
スピーカーのインピーダンスが影響するとなるとパワーアンプ部だろうし、ボリュームを完全に絞ると問題ないから、パワーアンプの入力段のTr周り?