電源が入らず部品取りジャンクTA-V715を入手
このアンプはシステムコンポ前提なので、システムコントロール2(チューナー?)が接続されていないと電源が入らない仕組みとなっているようです。なので、電源入らずは正しい結果?
最悪、本当に部品取りでも良いかと540円(税込)で入手。これで動けば中華デジタルアンプ(デジアン)よりも安上がりなアンプになります。
大昔のミニコンポのアンプですが、パワーアンプ部にSTK4152Ⅱを使っていて、等価回路からはなかなか良さそうなハイブリッドICなので少々期待。
回路を追いかけるのは面倒なので、サービスマニュアルをネット上で探して見ましたが、海外向けのTA-V715Tしか見つけられず、システムコントロール部分は全く違うので今回の参考にはあまりなりませんでした。しかし、アンプ部の回路はほぼ同じでパーツ名も多くが同じようでアンプ部の改造には参考になりそうです。
電源が入らない理由を調査
スタンバイ系電源は通電されていますが、パワー系電源はACラインから来ていない。
ACラインにリレーがあり、これがONにならないので、電源が入らない状態。
このリレーは、トランジスタQ704で駆動されており、このトランジスタのベースに抵抗R734が直列されている。
この抵抗経由でシステムコントロール2につながっている。システムコントロール2には、スタンバイ系の15Vがつながっているので、この15Vに抵抗4.7K(この値は壊れないだろう適当な値(^-^;)でR734をプルアップして、Q704をON->リレーONで、電源が入るようになりました。
残念ながら、リモコンでスタンバイへの移行は出来ません。
電源は入っているのに音が出ないのを調査
無事に電源が入るようになりましたが、音が出ない。
ボリュームをMAXにするとかすかに聞こえる。パワーアンプ自体は問題ない感じですが、信号が入力されていない模様。
ん~、....
このコンポはグラフィックイコライザが付いていて、これを切り離せない(システムコントロール3に接続が必須)となっているようです。
めんどくさいが、簡単にパターンを追いかける。
IN/OUTそれぞれインピーダンス整合の抵抗を発見!細かい回路を追っかける気は毛頭ないので、この抵抗のところでIN/OUTをRLを間違えないようにショートしました。
無事、音も出るようになりました。
さて、TA-V715の音は如何に
1987年発売だったようで、ちょうど30年前のアンプです。予想に反して、ボリュームを回してもノイズはなし、ヘッドフォンをつないでみましたが、聞き取れるノイズは全くなし!!
顕著な劣化はなさそう。
高価なパーツはなさそうですが、原低に技術者が悩まされる以前の設計なので、個々のパーツに素性良い物が使われているのでしょう。
手持ちの安物のヘッドフォンで聞いた限り、デジアンのガラスの様なクリア感はないですが、なかなか良さそうです。
最近はPC用スピーカなど非力なものばかり触っていたので、この余裕感はやっぱりいい。
ただ、つまみ類はすべてプラスチックで、高級感には欠けるのが残念。(バブル期の製品とは言え、量産コンポの中級機なのでこんなものか)
筐体はいかにもコンポですが、調査中に見た信号の引き回しパターンは、当時の技術者の技量を見せて頂いた気がします。左右のセパレーションの良さとノイズレスは、徹底したグランドシールドパターンのお陰だと思います。
今日は、もう深夜なので、明日でも時間を作って、ちゃんとスピーカに接続して、デジアン(SMSL SA-36A)と聞き比べてみたい。
意外に発熱も少ない(SP駆動だとそれなりには熱くはなる?)ので、聞き比べの結果が良ければ、寝室のデジアンと交換かな…..夜中に映画を見るときにヘッドフォンが使えるのは便利なので。
そのうち、時間が作れて、気分が向けば、
CMOSスイッチによるソースセレクタ、疑似サラウンド機能(DOL)、トーンコントロール、マイクミキシングなど音質悪化の要因をすべてバイパスして音質のグレードアップなどもありかもしれない…..(DOLは、ラウンドネスでしたm(__)m)
スピーカーを接続して聴いてみました。
音の厚み、音域の広さ、音の定位すべてにおいて、良いと思っていたデジアンと比較にならない位の圧勝!!
これは良い! 思わずあまり普段は聴かないオーケストラも暫く聴いてしまいました。山口百恵のベスト集もなかなか良い、録音、アレンジの良しあしまで見えてくる感じで実に見事な鮮明度で鳴らしてくれます。それでいて疲れない心地よい感じ。
ちょっと褒めすぎかもしれないが、第一印象はかなり良い。
当面、改造は必要なさそう。このまま使ってみようと思う。
ちゃんと設置場所を考えよう…..